眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「私の気持ちも、夏生の気持ちも知ってて、じれったかったって。
結婚したから、きっぱり私のこと、諦めなきゃいけない、って」

「……そう」

「私、歳にぃの気持ち、全然知らなかった。
なんで黙っていちゃうの……」

……気が付いたら。
涙がぽろぽろ零れてた。
夏生はただ、黙って私のあたまを撫でてる。

「……落ち着いた?」

「……うん」

私の涙が落ち着くと。
夏生が親指で目尻に残った涙を拭ってくれた。

「僕は歳の気持ち、わからないでもないから。
……まあ、ゆずちゃんにキスしたのはやっぱり許せないけど」

「……夏生、根に持ち過ぎ」

見上げると。
眼鏡の奥の目が、細くなった。

「でも、今度帰ってきたときは、笑顔で迎えられると思うよ。
ゆずちゃんも笑って迎えてあげよう?」