眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「ごめんね、夕葵ちゃん。
その代わりってわけじゃないけど、これ、渡してくれって預かってた」

おばさんに渡されたのは、一通の手紙。
それを受け取って、亜紀ちゃんちを出た。
帰りに買い物することすら忘れて、家に帰って封を切る。


『ゆずちゃんへ
きっといまごろ、戸惑っているだろうと思う。

ごめん。

俺はずっと、ゆずちゃんのことが好きだった。

でも、ゆずちゃんが夏さんのことを好きなのは知ってたし、夏さんもゆずちゃ
んが好きなくせに、年の差気にして手を出しかねてるのも知っていた。

じれったくて、いつまでも夏さんがゆずちゃんのこと放っておくんだったら、
いっそのこと俺がかっさらってやろうかとさえ思ったよ。

なのにいきなり、結婚した、だろ?
驚いたのなんのって。
ああ、これできっぱり、ゆずちゃんのこと諦めなきゃいけないな、って思っ
た。

運がいいのか悪いのか、ちょうど長期の海外赴任の話がきてさ。
思い切って受けることにしたんだ。