眼鏡とハンバーグと指環と制服と

歳にぃは今日、平日で仕事のはずだから、会う心配はしなくていいはず。

「上がってく?」

「いえ、チョコ持ってきただけなので」

「そういわないで、上がっていきなさいよ。
いま、お茶淹れるわねー」

「おかまいなくー」

苦笑いを浮かべて、二階に上がっていく亜紀ちゃん。
私はおばさんに押し切られて、リビングのいつもの場所に座った。

「どうぞ」

紅茶を淹れてくれたおばさんが、私の隣に座る。

「すみません。
……あ、えっと、今年の分のチョコです。
これがおばさんに、これがおじさんに。
あとの二つは勇にぃと……歳にぃに」

……結局。
悩んだけど歳にぃの分も準備した。
あくまでもお兄ちゃんに、だ。

「……あのね、夕葵ちゃん」

「はい?」