眼鏡とハンバーグと指環と制服と

少し歩いて振り返ると、初めいた場所とほとんど変わらないところで、やっぱ
りいじけて俯いてた。

……はぁーっ。
ほんとに子供。
あれで私より一回り上なんて信じられない。

無視してまた歩き出す。
でも、なつにぃが追いついてくる気配はない。

……はぁーっ。

ため息ついて踵を返してなつにぃの元に戻る。

「……夏休みになったら。
下関の水族館、行こ?
そこなら知り合いに会う可能性、ほとんどないし。
お弁当になつにぃの大好きな唐揚げ、いっぱい入れてあげるから」

「……ほんとに?」

「ほんと、ほんと。
今日はなつにぃの好きな、チーズが入ったハンバーグ、作ってあげる。
だから機嫌、なおして?」

「……うん」

やっと顔を上げたなつにぃの目には、涙なんか光ってて。

……ちょっとめんどい。

あ、ちなみに下関は私の住んでる福岡県の、隣の県だ。