眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「その言葉、ちゃんと守ってね。
じゃあね、ゆずちゃん」

「え、あ、うん」

そのまま歳にぃは、絶対零度で笑ってる夏生と、未だに凍り付いてる私を置い
て帰ってしまった。


「……そもそも夕葵は、なんで歳と買い物に行ったの?」

家に入ると。

ソファーに座った夏生が手招きした。
仕方ないので、隣に座る。

にっこりきれいな笑顔だけど、……全然目が笑ってない。

バレンタインまで秘密のつもりだったけど、正直に話した方がいいよね、きっ
と。

「……あのね、これ」

テーブルの上に、まだラッピングもなにもしていない、お酒の瓶を置く。

「お酒?」

「うん。
夏生に、バレンタインのプレゼント。
夏生全然、家でお酒飲まなくなったから。
たまにはおいしいお酒を飲んで欲しくて、歳にぃに頼んで、買いに連れて行っ
てもらったの」