眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「ゆずちゃんとふたりで出かけるのって、久しぶりだね」

「んー、高校入学するとき以来だっけ?」

何故か歳にぃは、嬉しそうに笑ってる。

……歳にぃはちょっと、不思議な人だ。

建築関係の、誰もが知ってる大きな会社に勤めてる。
しかも、技術職だ。
だけど、ゴリマッチョな勇にぃとは違い、スーツが似合う、知的な感じ。

夏生もスーツは似合うけど、歳にぃとはなんか違うな。

顔はおばさん似なのか、中性的できれい。
もてるのに、彼女がいるって話は、一度も聞いたことがない。

亜紀ちゃんがいつも
「一緒に暮らしていても、私生活が謎」
といっている。

「夏さんとの生活には慣れた?」

「うん。
もう完璧だよ」

「そう」

……一瞬、歳にぃが淋しそうに笑った気がしたんだけど……気のせい、かな。