身を乗り出してきた男に、運転席の男はあきらかに動揺している。
「……誰に頼まれたのか、って聞いてるの」
ぼんやりとした視界。
ぼんやりと聞こえる声。
「……まあいいけど。
雇い主に伝えて?
あなたたちには髪の毛一本、夕葵を傷つけさせたりしないって」
「は、はいぃっ!!」
私を抱えて男が車を降りると、外にいる仲間を置き去りしてまま車は急発進で
逃げていった。
「夕葵!」
ベリリリッ、口も、手首もガムテープが剥がされる。
はく、はく。
呼吸を妨げるものはなにもないのに、息が上手くできない。
ぼやけた視界に映る、男の人。
「夕葵、僕はここだよ。
ここにいるから。
大丈夫だから。
夕葵、僕を見て。
僕だけを見て、夕葵」
「……誰に頼まれたのか、って聞いてるの」
ぼんやりとした視界。
ぼんやりと聞こえる声。
「……まあいいけど。
雇い主に伝えて?
あなたたちには髪の毛一本、夕葵を傷つけさせたりしないって」
「は、はいぃっ!!」
私を抱えて男が車を降りると、外にいる仲間を置き去りしてまま車は急発進で
逃げていった。
「夕葵!」
ベリリリッ、口も、手首もガムテープが剥がされる。
はく、はく。
呼吸を妨げるものはなにもないのに、息が上手くできない。
ぼやけた視界に映る、男の人。
「夕葵、僕はここだよ。
ここにいるから。
大丈夫だから。
夕葵、僕を見て。
僕だけを見て、夕葵」



