眼鏡とハンバーグと指環と制服と

首が今度は反対側にこてんと倒れる。

「……指環付け始めて体育の時間、着替えのときに突っ込まれて、おばあちゃ
んが亡くなる前にくれた、母親の形見、ってことにしたから。
お守り代わりにいつもつけてるんだ、って。
だから、反対にして行かないと怪しまれる」

「僕だって、彼女とお揃いとかいう理由にしたら、ちゃんと他に付き合ってる
人がいるんだーって、思われないかな?」

「……だから。
おんなじ指環が下がってるんだよ?
誰が、両方の指環見るかわからないんだよ?
バレたらどうするの?
今度は兄妹だなんて言い訳、通じないよ?」

「……うん。わかった」

半べその夏生が、指環の通ったチェーンを外す。

どうしてもつけときたい気持ちはわかるけど。
でも、バレるわけにはいかないんだし。

「四日間だけだから。
我慢、しよ?
そうだなー、修学旅行のあいだ、旦那さんでもお兄ちゃんでもなくて、ちゃん
と教師できたら、ラザニア作ってあげる。
このあいだ、食べたいっていってたでしょ?」

「……ほんとに?
あれ、手間かかるからって、ゆずちゃん年に一回も作ってくれないのに」