眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「これに懲りたら、もう隠し事しないで。
……わかった?」

「はい。
ごめんなさい」

「僕、もう部屋に行くから。
おやすみ、ゆずちゃん」

「夏生……」

「おやすみ」

私のあたまをぽんぽんすると、夏生は階段を上がっていく。
ひとり残されて、呆然とした。

……夏生を、怒らせた。
隠し事しない、って約束したのに、私が黙ってたから。
黙ってたらこうなること、薄々わかってたのに。

ベッドに入っても、ひたすら後悔してた。
結局、ほとんど眠れなくて、朝、鏡を見たら、くまができてた。

「……おはよう」

「……おはよう」

なんとなく、少し気まずいまま朝食の席に着く。
ふたりとも無言でごはんを食べた。
今日のごはんは、砂でも噛んでるみたいに味がしない。