眼鏡とハンバーグと指環と制服と

……息を切らせて。

「夕葵」

「亜紀ちゃん……」

「とりあえず、うち、来るか?
いま、誰もいないし」

「……うん」

亜紀ちゃんと並んで歩く。
なにもいえなくて俯いてたら、亜紀ちゃんが私の手を握った。
まるで小さい頃に戻ったみたいで、ちょっと嬉しかった。


「……それで。
なにがあった?」

家に着くと、亜紀ちゃんはココアを淹れてくれた。

甘ったるいココアを飲むと、ごちゃごちゃでどうしていいかわからなかった気
持ちが、少しずつ落ち着いていく。

飲み終わって、気持ちと一緒に息を吐き出すと、それまで黙ってた亜紀ちゃん
が口を開いた。

「お正月、夏生とデートしてたの、見られてた」

「……そうか」

「……うん」