眼鏡とハンバーグと指環と制服と

そのうち紫子さんが結婚して帰ってきて。
すぐにゆずちゃんが生まれて。

もう、羨ましくって仕方なくってさ。

紫子さんたちが亡くなったとき、僕が妬んだせいじゃないかって、ちょっと後
悔したくらい。

付き合う女の子も、家族になってくれそうな子、選んでた。
でもいっつも、なんか違うんだよ。

就職して、その日もいつものように、ゆずちゃんちにごはんを食べに行って。
おばあちゃん、たまたま用事でいなくてふたりでごはん食べた。

ゆずちゃんは楽しそうに学校のことなんか話してくれて。
いつもと変わらない風景のはずなのに、何故かそのとき思ったんだ。

……ずーとこうして、ゆずちゃんとごはんを食べたいな、って。

結婚して子供ができて、おじいちゃんとおばあちゃんになってもずっと。

僕の探してた家族は、すぐ近くにあったんだ、って嬉しかった。

だから僕は、ゆずちゃんさえよければ結婚したいと思ったし、ほんとの家族に
なれて後悔なんかしてないよ。