眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「そういや、さ。
夕葵は小さいときから、なつにぃ、なつにぃってほんとみててわかりやすかっ
たけど。
夏はなんで、夕葵なんだ?
彼女だっていたことあったろ?」

「勇、いまそれ、聞く?
まあいいけど。
ゆずちゃんは僕が欲しい、って思ってた家族、だから」

「家族?」

「話、長くなるよ?それでも聞く?」

「聞きたい。
歳も亜紀も聞きたいよな?」

うんうんと、ふたりとも……どころか香代子さんも頷いてた。

「うん。
あのね……」


……僕ね、ずっと家族が欲しかったんだ。

母さん、僕が小学生のとき死んだでしょ?
父さんは仕事ばっかりで、七尾のおばあちゃんに預けられてた。

おばあちゃんはよくしてくれたけど、やっぱり家族じゃないんだよ。