眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「……はぁーっ。
まあいい。
こうなったおまえは、なにをいっても無駄なこと、俺が一番知ってる。
それで夕葵はいいのか?」

勇にぃは大きなため息をつくと、今度は私に話を振ってきた。
亜紀ちゃんと歳にぃは、未だになんだか呆然としてるようだ。

「うん。
……勇にぃ、あんまりなつにぃを怒らないでね。
確かに、おばあちゃんからなつにぃと結婚しないと、遺産を渡さないって遺言
があったのもあるけど。
でも、決めたのは私だから。
なつにぃは反対に、高校卒業するまでだって、その先だって待つっていってく
れたの」

「じゃあなんで結婚した?
それなら卒業するまで、待つことだってできただろ?
金のことなら、俺たちにでも、うちの両親にでも相談すれば、なんか考えて
た」

……勇にぃ、怖い。
自問されてるみたいだよー。
しかも、本職の警察官だから、余計に。

「うん。
でも、なつにぃと結婚すれば、間違いないんだ、って思ったから。
たぶん、小さいときから思ってた。
それ、思い出したの。
それにね」