眼鏡とハンバーグと指環と制服と

なつにぃの首が、横にこてんと倒れる。
あれはどうみても、ほんとに知らなかった顔だ。

私と亜紀ちゃんに秘密だったのは、よっぽどの事情があったんだと思う。
けど。

大親友で誰よりも仲がいい、なつにぃにまで秘密にしてたって、どういうこと
なんだろ?


週末。
なつにぃに連れられて、居酒屋さんに行った。

もう、亜紀ちゃんたちはきてて、そこには知らない女の人も座ってた。

……この人が。
勇にぃの彼女、なんだろうな。

「夏、夕葵、きたか。
……とりあえず、ビールでいいか?」

「うん」

「すみませーん!生四つ、烏龍茶二つ!」

亜紀ちゃんの隣に並んで座る。

私の隣にさらになつにぃ。
目の前には、歳にぃ、勇にぃ、女の人の順で座ってる。
今日は近藤家兄妹会、らしい。

……いや、私となつにぃはほんとの兄妹じゃないけど。