眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「鶏胸が安かったから、鶏胸のオーロラソース炒め」

「……ゆずちゃん、なんか怒ってない?」

わけわかんないよ、って首を横にこてん。

「怒ってなんか……ない……もん」

「ほんとに?」

今度は反対側にこてん。

「……うん」

「なら僕、着替えてくるね」

二階に上がっていく足音聞きながら、ちょっとため息。

……ダメだー。
あれ見ると、ほんとなにもいえない。

それに、もし、
「書類上は妻だけど、それだけだよ」
とかいわれたら、立ち直れないし。

「じゃあ、食べようかー。
いただきます」

「いただきます」

なつにぃとふたりの食事も、もう慣れた。

小さいときから積極的に家の手伝いするようにしてたし、中学上がってから
は、料理なんかは私がやってた。