眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「……香織。
からかうのはやめておけ。
夕葵、真に受けてるぞ」

……あ、え、冗談、だったんだ。
あー、びっくりした。

「へへへっ。
まあ冗談は置いといて。
月原、でしょ?
喜びそうなのっていったら、無難にネクタイとか文房具?」

「悪いが私も、それくらいしか思いつかない。
勇にぃなら格闘技の本でもやっときゃいいが」

「そうだよねー。
とりあえずいつも通り、マフラー編むよ」

……だよね。
私もそれくらいしか、思いつかないもん。
なんか、妻として失格なんじゃないかとか思えてくる。

「手芸屋さん寄ってくから、先帰ってていいよー」

……たい焼きも食べ終わったことだし。
さっさと買い物して帰らないとね。

「いいよ、付き合うよ」

「でも……」

「色くらい、一緒に選んでやる」

「ありがと、ふたりとも」