眼鏡とハンバーグと指環と制服と

お弁当食べるのに隣の席の椅子を借りながら、香織ちゃんが聞いてくる。

「……もう授業、終わっちゃった」

「ああ。
月原の授業だったもんな」

「授業中の月原って、普段と違ってなんかかっこいいもんねー。
隠れファンもいるって噂だよ?」

「そんなの、嫌だ……」

「大丈夫だ。
月原はいま、夕葵しか目に入ってないから」

「……うん」

悲しくなって俯いたら、ふたりにあたま、ぽんぽんされた。

「というか、今日の夕葵のお弁当、おいしそうだねー」

「昨日、とんかつしたから、残りで流行りのおにぎらず作ってみたんだ。
食べてみる?」

「いいのか?」

「うん。
玉子焼きバージョンとツナマヨバージョンも作ったんだよ」

ふたりとも、私のお弁当箱に手を伸ばしてくる。
食べてもらいたかったから、ちょっと多めに作ってきた。