眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「夏の奴、真面目だから疲れてるだろ?
夕葵が行って、息抜きさせてこい。
ひとりにしとくと倒れかねないからな」

「勇にぃ……?」

「ゆっくりしてらっしゃい。
晩ごはんまでに帰ってきたらいいから。ね?」

「おばさん……。
ありがとうございます」

みんなの気遣いが、凄く嬉しかった。
私も近藤さん家の子供だったらよかったのに。


家の前で車を止めてくれた。

一応、玄関の呼び鈴を鳴らしたけど、応答はない。
鍵を開けてリビングに行くと、資料を読んでた途中だったのか、本を片手にソ
ファーで眠ってた。

……このあいだも、寝てたのに。
かなり疲れてるよね。

そっと、タオルケットを持ってきてかける。

黒縁の眼鏡。
長めの前髪。
薄い唇。
シャツからのぞく、鎖骨。
節くれ立った、男らしい手。