眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「好きな人が、仕事ですっごく疲れてて、それで傍にいて力になってあげたい
けど、自分は高校生だから、かえって気を遣わせるばっかりで、なにもできな
いのが悔しいんです」

「七尾さん……」

「それでなくても、別件でしばらく会えなくて。
淋しくて、ほんとはいつもみたいに、名前呼んであたま撫でて欲しいけど。
でも、忙しい彼にそんなこというのは、ただの我が儘な気がして。
もうなんか、ぐちゃぐちゃで。
どうしていいのかわからなくて……」

「大丈夫。
ちゃんと彼に、気持ち伝わってるよ」

泣きそうになって俯いたあたまの上に、手の感触。

「ほんとに……?」

「ほんとに。
七尾さんのそんな気持ち、嬉しいって思ってるよ。
それに、彼もきっと、淋しいって。
早く仕事が落ち着いて、七尾さんに会いたい、って」

ゆっくり、ゆっくりと月原先生の手が、私のあたまを撫でる。

「……うん」

「だから、もうちょっと。
我慢しててあげて」