眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「そういうわけにはいかないでしょ。
というか僕、どれくらい寝てた?」

「うーん、私がきて五分といったところ?」

「よかったー。
会議、まだ始まってない」

時計を確認すると、月原先生はほっとしたようにため息をついた。

「七尾さんはなにか、用だったの?」

首を、こてん。

……久しぶりに見るな、これ。

「プリント。
日直、用があるっていってたから、代わりに持ってきた」

「ありがとねー」

「あと。
……話、いいですか?」

「うん?
まだ会議まで時間あるし、いいよ?
お茶でも淹れようかー」

そういうと、月原先生はお茶を淹れ始めた。

……うちの学校は。
日本史教師がひとりしかいない。
当然、日本史科室を使っているのは、月原先生、ひとり。