眼鏡とハンバーグと指環と制服と

なにもできないならせめて、おいしいごはんを食べさせてあげたい。

抱きしめて欲しい。
抱きしめてあげたい。

して欲しいことも、してあげたいこともたくさんあるのに、なにもできない現
状がもどかしい。


日直に適当なこといって、代わりに月原先生のとこに集めたプリントを届け
る。

いわれたとおり日本史科室に行くと、月原先生はひとり、机に突っ伏して眠っ
てた。
起こさないようにそっと、プリントを置いて近付く。

……くま、できてる。
しばらくいないあいだに、ちょっと痩せたんじゃないかな?眉間に皺、寄って
るよ?
早く落ち着くといいのに。

眼鏡にかかる、前髪をそっと払う。
そのまま、なんとなくいつも私にしてくれるみたいに、その柔らかい髪を撫で
てた。

「ん……。
えっ、ゆ……七尾さん!?」

目を覚ました月原先生は、慌ててる上に、少し赤くなってた。

「まだ寝ててよかったのに」