カルマノオト

彼は笑いながら私を茶化し、カーブの多い海沿いの国道を走りながら再びちらりとまた視線を向ける。




ここで認めてしまえばどんなに楽だろう。


だけど、過去に片思いしていたなんて今更打ち明けられても、つい数時間前に再会したばかりの彼はきっと戸惑うに違いない。




「どうでもいいでしょ?

ただ、あの学校の校風が好きで、浪人してでも入りたかったの!」




適当に繕った嘘。


薄っぺらい理由を並べただけの張りぼては、きっとすぐに見透かされてしまう。




「そうかぁ!?

薬学部も医学部に匹敵するくらいレポートが多いし、無駄にいろんな実習させられるだけ面倒だろ?」