本当に今更だ。




自分の事を思い出してくれた事が嬉しくて舞い上がってしまった。


だから私は促されるままこの車に乗り、彼と一緒に小樽の自宅を目指している。




しかし、次に彼が告げた言葉は想定外の……――――――




「大丈夫、俺の家も小樽だから。」




「へっ……!?」




「だって俺、今も附属病院で非常勤医師やってるし。」




知らなかった。


まさか、今でも彼が小樽に住んでいたなんて。


しかも、彼を追って同じ大学に進学した私のすぐ傍に。




「そうだったんだ……。」