少しでも彼の印象に残りたい。


その一心で、彼の前ではめいっぱい元気に振る舞っていた。


目立っていればきっと注目される。


だけど本当は、いつ潰れてもおかしくないほどの不安や悩みを抱えてた。




「根岸と石咲。

お前ら二人には手を焼いたよ。

生意気でうるさくて、いつも授業中に茶々入れてくるから……――――――」




「ああ、正登……。

あいつは今、余市のパチンコ屋で働いてるよ。」




彼と同じ「イシザキ」という苗字。


幼馴染の正登は、当時はいわゆる典型的な不良少年で私たちの悪友だった。




「パチンコ屋かぁ。

なんだかあいつらしいな。」