涙目のまま背の高い彼の顔を見上げる。




週末のすすきの。


終電の時間を過ぎても尚、この街はとても賑やかだ。


神妙な面持ちの彼と見つめ合う涙目の私の顔を、赤い顔をした酔っ払いたちが横目で見ては通り過ぎていく。




「君、どうしてその事を……!?」




まるで、触れられたくないものに触れられたかのよう。


彼は顔を顰め一瞬視線を逸らした。




「私は貴方の教え子です。

石崎先生、私がわかりますか……?」