カルマノオト

何を考え、彼は私にキスをしているのだろう。


それを問い質せないまま、私は彼の唇に舌を差し込んだ。




「……――――――!?」




僅かに残るアルコールのフレーバー。


お酒臭いこのキスを、どうして彼はまだ離そうとしないのか。




色を帯びた冗談のつもりだった。


キス以上の関係になるつもりはない。


そう心に決めて仕掛けた悪戯のつもりだったのに……――――――




「里衣……、基之って呼んで?」