立っていたのは、キラキラした瞳の、愛くるしい少女。
フリルたっぷりの白ブラウスに、大きめの黒いオーバーオール。さらにその上から薄茶色の斑模様がはいった毛皮のショートボレロを重ね着している。至極個性的なファッションセンスではあるが、それがよく似合っていた。
年齢はよくわからない。中学生といわれればそうも見えるし、二十歳前、といわれればそれはそれで納得させられるような、浮き世離れした少女漫画のキャラクターのような風貌。
目の前に、いや、俺の頭ふたつぶんくらい下にずれた視線のさきに、その少女の頭があった。
思わず撫でてしまいたくなるまるっとした頭から、にょきっと生えているのは、紫色の、毛並みのよい猫耳だった。
なんじゃそりゃ。
つうか誰なんだお前は。
「こんにちはっ!おじゃましまーす!」
こちらが隙を見せたとたん、少女はぎょっとするような素早い身のこなしで、するりと部屋のなかへ入ってきた。
「あ、ちょ、勝手に、おい」
注意しようにも頭がまっしろでまともな言葉が出てこない。
なんなんだこのシュールな展開は?
そしてその猫耳は???
急いでドアを閉め、部屋のなかを見ると、少女は当然のような顔をして、散らかった布団のうえに正座していた。好奇心に満ちたキラキラの目で俺の視線をまっすぐに受け止め、猫耳をぴくぴく動かしながら。
「タマミ…?」
ごく自然に、呼び名が口をついて出た。
「にゃおん♪」
少女の口から飛び出したのは、昨日幾度も耳にした、あの心地よいタマミの鳴き声にちがいなかった。
膝の上にちょこんと飛び移ってきた猫耳娘の首のつけねを撫でながら、俺は思った。
こんな姿、やっぱり誰にも見せられない!
フリルたっぷりの白ブラウスに、大きめの黒いオーバーオール。さらにその上から薄茶色の斑模様がはいった毛皮のショートボレロを重ね着している。至極個性的なファッションセンスではあるが、それがよく似合っていた。
年齢はよくわからない。中学生といわれればそうも見えるし、二十歳前、といわれればそれはそれで納得させられるような、浮き世離れした少女漫画のキャラクターのような風貌。
目の前に、いや、俺の頭ふたつぶんくらい下にずれた視線のさきに、その少女の頭があった。
思わず撫でてしまいたくなるまるっとした頭から、にょきっと生えているのは、紫色の、毛並みのよい猫耳だった。
なんじゃそりゃ。
つうか誰なんだお前は。
「こんにちはっ!おじゃましまーす!」
こちらが隙を見せたとたん、少女はぎょっとするような素早い身のこなしで、するりと部屋のなかへ入ってきた。
「あ、ちょ、勝手に、おい」
注意しようにも頭がまっしろでまともな言葉が出てこない。
なんなんだこのシュールな展開は?
そしてその猫耳は???
急いでドアを閉め、部屋のなかを見ると、少女は当然のような顔をして、散らかった布団のうえに正座していた。好奇心に満ちたキラキラの目で俺の視線をまっすぐに受け止め、猫耳をぴくぴく動かしながら。
「タマミ…?」
ごく自然に、呼び名が口をついて出た。
「にゃおん♪」
少女の口から飛び出したのは、昨日幾度も耳にした、あの心地よいタマミの鳴き声にちがいなかった。
膝の上にちょこんと飛び移ってきた猫耳娘の首のつけねを撫でながら、俺は思った。
こんな姿、やっぱり誰にも見せられない!
