いつの間にか 好きだった

2時間でお開きになった
私はさおりちゃんと店の出口で喋っていた


「戸田君。一緒に帰ろう。方向 一緒でしよ。」


多分 ほとんどの人が 二人の会話を聞いていたと思う
私達もそう


「あ!わりー。俺 コイツ送ってくから。酔っ払ってるし。」


そう言いながら 私の肩を抱き寄せる


私 酔ってないけど 口を開こうとしたら 何も言うなと言う顔をした


押し黙る私


「気をつけて 帰れよ。」


そう言って 歩くように背中を押された


無言のまま しばらく歩く
肩に触れる 戸田さんの手が温かい
そこから 全身に熱が行き渡るように じわじわと温かくなる


心臓もだんだんスピードを上げて行く