「てかまさか!あの由香さんと別れてるだなんて思わなかったし!」
「あー…うん」
「だってシンならもっと上狙えたはずなんだよ? なのに由香さん追ってきたわけじゃん」
「ねえねえ、シンって杉本くんのことだよね?」
「そうだよ」
突然クラスの子が話に割り込んできた。
千草は驚くでもなくシャーペンを鼻と口のあいだに挟み、小さく息を吐き出す。
「及川さん仲良しなんだ?」
「いんや同中なだけ。名前もおぼろげにしか覚えてもらってないからさ」
「てか由香さんて誰? 由香先輩のこと?」
「あーちがうよ」
由香さんとのことは千草も内緒にしようと思っているようで否定をした。杉本の彼女が由香さんだったということは一部の生徒しかしらない。
それもあるせいか杉本の名前は千草からだけでなく、わりと話題にあがる。そんな杉本と同中だった千草は、たまに誰かに掴まって囲まれることもあるほどだ。
なんか女子みんな杉本を見ている気さえしてくる。本人わかってるのかな…。
ふと教室を見渡してみれば河口と目が合った。
すると河口は少し首を傾げ親指と人差し指で丸を作ってOKサインを送ってくる。そういえばさっきの返事をまだしていない。すっかり忘れていたよ。親指を立ててOK合図を返した。
なんの話なのか気になるけれど、それよりいつ千草に話すべきかである。なんだか時間が経つごとに、どんどん膨らんで重くなってきている。
