「そういえばさ。あの髪の毛クルクル…あれ、なんかよかったのに。もうしないの?」
杉本は半年も前の雪の日のことを、さも最近の出来事のように言う。だけど杉本のこういうところ、あたしは嫌いじゃない。
「えー、だって面倒なんだもん」
「あっそ」
また巻いてみようかな。
「てか俺、生活実行委員になってしまって」
「あ、そうなんだ? 千草もなってたよ」
「あー千草…、及川ね」
「あみだで決まってさ」
「俺もじゃんけんで負けた」
「ださ」
「うざ」
そしてしばらくぼんやりしていると、脇にある携帯がふたたび振動しているのがみえた。少し面倒な気持ちで携帯を手にとる。
《こら〜!どこにいるの?》
LINEをチェックすると千草からだった。
そういえば千草からのチョコを受け取っていた杉本だ。
ほかの子からは受け取っていなかった。
「さて、そろそろいくか?」
千草からのLINEを見たわけでない杉本がそう言う。
