「うーん、べつになんでもない」 だけどやめた。 答えなんか欲しくないってそう思った。 それにあたしたちは、ただたまたまがよく似合う関係だけなのかもしれないし。 「ねぇ杉本」 「なに?」 「なんか、お腹減った」 「なんだそれ」 でも、それでも。 あたしたちはいまきっと、世界で一番幸せそうな顔をして笑っている。そんな気がした。 そうに違いない。 そうだといいのにな。 ——————… ———…