「ふぅん。じゃ、杏行こうか?タケル君?またな。」


林が言った。あんたにタケル君なんてなれなれしく呼ばれたくないけどな。


「あ…っ、うん、じゃあタケル君ありがとうね。バイバイ。」


杏が言った。


「おぅ、またな。」


俺が答えた。



林は、杏の腕をひいて俺に一瞥をくれて歩きだした。



二人の後ろ姿を見送る。



……あの林って奴。



絶対杏に気があるよな。



俺のこと見下したような態度しやがって。



でも、二人が並んでいるのを見ると、何だかお似合いに見えた。



はぁ…。俺情けないよな。



でも……負けたくない。