そして昼休み、まずは先輩の所へ凛と2人で向かった。

「…あー今はどっかで寝てるなー。
アイツは気まぐれな奴だからな…多分、屋上か、保健室、裏庭のベンチか、図書室、それから〜あ、最近は園芸部の花壇らへんだな…いつもどっかで授業をサボってるんだよ。」

(…多分が多いですねぇ!!?)
私は金髪先輩に心の中でツッコむ。
「……ワオ。」
リンは心の声が漏れてしまった…
「…凄いだろ?アイツを探すとなると大変なんだよな……ま、頑張れ!!」
金髪先輩は満更でもない感じで言うとケラケラと笑う。

「…はい…」
私と凛は間を置いて返事をした。

「…どこにいるか大体の場所は分かりますか?」

「…うーん、今日は晴れてるから涼しい所じゃないか?」

金髪先輩の答えは曖昧すぎてわからないからパーカー先輩の居場所は全く検討がつかない。

「…あ!私は2年の橋本凛っていいます!!先輩の名前をお聞きしたいんですが…よろしいですかね?」
「あぁ、俺は尾倉 蓮(オグラ レン)蓮って呼んでくれ、よろしくな!」
蓮先輩は人懐っこい笑顔を浮かべて言った。
凛は持ち前のコミュニケーション力で先輩の名前をあっさりと聞く。

私はあまり積極的でないがためにパーカー先輩の名前も聞けなかったが…

「…よろしくです!蓮先輩!」
と、凛はさっそく挨拶をする
「よろしくお願いします。」
私は凛に続き挨拶。

「そんじゃ、アイツ探すの頑張ってな!」

そう言って蓮先輩とはお別れをした。
「…ねぇ!あの先輩いい人だね!」
と、凛は蓮先輩が少しだけ気になっているようだ。

「…へぇ、気になるんだ?蓮先輩が?」
私は凛をからかおうとニヤリとして言った。

「…!?ち、違うし!ただ単純にいい人だなと…」
凛はこころなしか頬が赤い。
やはり、気になっているみたいで、そんな姿も可愛らしい。

「…ま、頑張ってね!」
私は凛の頭をポンポンとして笑いかけ、走り出す。

「…!?な、どしたの?ハル!!」
凛は私の急な行動にバタバタと追いかけてくる。
そうして二階への階段をダッシュで駆け下りて行って自分の教室につく。

私は割と足も早いので凛は少し遅れて教室についた。
「…もぉ、急に走るから驚いたじゃん!」
凛は息を切らして言う。
「…なんか面白そうだなと思ってね…」
私は凛にまた、ニヤリと笑いかけた。

「…ハルはたまーに意地悪だよねー」
そう言って凛の笑う。

私もつられて笑い、一段落してからいつもの場所へ向かいご飯を食べた。

いつになればパーカー先輩と会えるのだろうか…
名前も教えてくれないが、悪い人ではない、僅かながらパーカー先輩のことを知りたい、と思う自分がいた。