「…クソ!!
きりがない!!…ぞろぞろ出てきやがって」
さっきから人を殴り続けている…
拳の感覚も薄れてきてるし、あとどのくらい持つかもわからない…
でも、諦められねえから…
春馬を助けるまでは絶対に…
虎太郎までの距離はあと少し…
…絶対に倒れるもんか!
ひとり、また1人と雑魚をなぎ飛ばす…
だんだん意識も遠のいていく…
そして最後のひとりが倒れた…
「…やっぱすぐやられたか…
…お前ら後でお仕置きな…。」
虎太郎が俺ら2人にやられて倒れた奴らに冷たく言い放った。
「…そんな事言う余裕あるか?」
虎太郎は俺の事を差し置いて余裕ぶっこいてやがる。
「…蓮、お前は春馬を探せ。
こいつは俺が相手してやる。」
「…え?いいのかな?
玲弥くん?…多分、俺に負けちゃうよ」
「…バカにすんな…。
卑怯な俺はお前とは違うんだよ。」
「…アハハハ!…そんなボロボロでよく言うよ…。」
「…グッ!…お、まえ…」
スキをつかれた…
腹に1発受けてしまった…
「…どうしたの?…ヨレヨレじゃん!」
今にも笑いそうな顔をした虎太郎…
その時、俺の理性は怒りで吹き飛び、
意識がなくなった…
ただ、前の虎太郎…
お前だけは絶対にただじゃおかねえ、
頭の中はその思いだけだった。
虎太郎も一瞬、驚いて楽しそうに…
「…やっと本気になった…」
と言った。