そして現在監禁中。部屋に押し込められて扉の前には護衛という名の監視、数時間おきにはご機嫌伺いという名の監視、身の回りのことを整えるという侍女という名の監視…監視としか会ってないよこの数か月!!!
そしてつい先ほどわたしの嫁ぎ先が決まったと血縁上の父親に言われて聞いてみれば、なんと相手は何人も愛人を囲っていると有名な色ボケじじいではないか。その場で胸ぐらつかんで文句を言わなかったわたしを褒めてほしい。
しかもわたしを再び逃がさないためなのか明日の夜にはここで婚約披露のパーティーをするというじゃないか。道理で外が騒がしいわけだよ。というか用意周到すぎて腹が立つ。
監視もさらに増やされてここから逃げ出すことは不可能に近い。となればわたしにできることといえば不満をできるだけ吐いて精神の安定を図ることだ。諦める?そんな選択肢はわたしの中にはありません。
散々騒いで不満を枕にぶつけたせいか破れて一個廃棄物になり部屋も羽根ですごい惨状になっちゃったけどわたしの怒りがこれでぎりぎり抑えられたのだから安いものである。
こうなったら腹をくくって色ボケじじいのところに行こうではないか。そしてそこから逃げてやる。どうなるかなんてわからないけど少なくともここよりは警備が薄い、と思いたい。人間やろうと思えば何でもできるはずだ。
「絶対、諦めてたまるもんですか…!!」
羽根の舞う部屋の中、母譲りの、しかし母よりもずっと濃い薔薇色の瞳を爛々と輝かせてまるで世界に戦いを挑むようにわたしは外にある自由な世界を見据えた。


