それは薔薇の魔法~番外編~




「え、ていうか今さら?今さらそれ聞くの?」


「確かに今さらだがな。お前に理由があって来るとも思えなかったから放置してたんだ」



実際前に来た時はたまたまだっただろう、とアランが言えば「確かにそうだけどさぁ」とジルバさんは片手に持ったお酒を飲みほした。



「んー、まぁ理由はいろいろ。また来るって言ってたし顔も見たかったしマリーとローズも紹介したかったし」



どことなく他にも理由があるのかしら、と気づいたのはジルバさんのせいではなくてアランが仕事中に見せる顔をしていたから。案の定アランはそれとなく頷いたので私はアランとジルバさんを残して部屋を出た。


シリルとローズちゃんはともかくマリーも聡いところがあるので素直に部屋を出た。



「さぁ、そろそろシリルとローズちゃんはお休みの時間よ」


「でも、母上、」


「明日も会えるわ。それにローズちゃん眠そうでしょう?」



さっきまではシリルと遊んでいたけど今は大きな目をとろんとさせて小さく欠伸をこぼしている。それでも小さな手はぎゅっとシリルの手と繋がれていた。



「ローズももう眠いでしょう?」


「や、ねむくない…おにいちゃ、とまだあそぶの…」