甘い香りのする紅茶を楽しみながら外に目を向ける。明日は誰よりも愛おしい子たちの晴れの舞台だ。 「時が経つのは早いわね。ふふ、貴方もそうは思わない?」 「あぁ、そうだな」 目の前にいる夫にそう言えば、夫も昔を懐かしむような眼差しで外を見ていた。淡い色合いの水面が揺れて波紋が生まれる。 昨日のことのように思い出されるあの日に私は思いを馳せた。 王妃さま視点で過去のお話です