避けられている今、ローズが普段いつどこで仕事をしているのかわからず、仕方なく一番知っていそうな母上のやもとに向かう。
ルークに聞けば恐らく彼女が寝起きしている部屋の場所を教えてくれるとは思うが、そんな密室で2人でいることに私の理性が保てるかは…定かではない。
そんなことを考えているうちに母上の部屋に着きノックをすると返事が返ってきたので扉を開けるとそこにはずっと会いたかったローズの姿があって驚いた。
向こうも驚いたように目を見張ったもののすぐに逸らされてしまう。
気まづげなそれに会いたいと、会おうとしていた気持ちが躊躇いを生むがせっかくの機会を逃すわけにもいかない。
このまま私から動かなければローズとの距離は開いていくばかりだろう。躊躇ってばかりもいられない。
そう覚悟を決めた直後に衝撃の発言。
「縁談の話、近いうちにまた話をしましょうね」
………は?
王族に生まれた者として言動には気をつけなければならないにも関わらずそんな声を出しそうになったが寸でのところで飲み込む。
待て、母上は今なんと言った?ローズに向かって縁談どうのとか言ってなかったか?一体どういう…
何も口を挟めないままローズも「はい」と素直に頭を下げてそのまま出て行ってしまう。その間私とは一切目を合わせないまま。
…ふざけるな。


