「わたくしはわたくしの譲れないもののためにシリル様の大切な人を傷つけたんですもの。然るべき罰は受けますわ」」
毅然とした態度で私を見つめる瞳はさっきとは違い冷静な光を灯している。
随分と潔い態度だと感心する。それと同時に訝しくも思う。
あれだけのことをしておいて簡単にローズのことを諦めるとは…やはり好きでしていたというわけではなさそうだ。本人の言葉を信用していなかったわけではないが。
「その沙汰はおって届けさせます。それまでは与えられた部屋から一歩も出ないように」
「承知しましたわ」
立ち上がりルークにリリアス姫の監視として何人かの人を付けるように言い渡す。それを読んでいたのかすぐに手配するルークに優秀なやつだと改めて思った。
部屋を出る前にふとした疑問が湧いて振り返るとリリアス姫は変わらずに凛とした空気をもってそこにいた。


