「ルーク、見てわかるだろうが熱があるんだ」
どうすればいいかと聞きながら頬や首筋に張り付いている髪を払う。
意味があるわけではないがあやすように髪を撫でルークを見ると、長い付き合いなだけに何か悟ったのかあれこれといろいろ教えてくれた。
不慣れな私より自分がしようかと提案されたがそれを断り今日のパーティーには参加しないことを伝える。
いつもなら何かしら言われるが「わかりました」と仕方ないという風に息を吐くルークに内心苦笑する。
一応父上と母上にもローズのことを伝えるように言ってからルークは部屋を出た。
冷水に浸したタオルを絞って彼女の額の上にのせる。
こんなになるまでいったい何をしたのか……あの時感じた嫌な予感が当たっていたな。
しばらく彼女の様子を見ながらタオルを取り換えたり汗を拭ったりしていると部屋の外から足音がして扉が開かれた。
予想外に大きな音をたてていたので驚いて思わず目を丸くする。
そしてそこにいた人たちは予想通り、父上と母上、そしてその後ろからルーク。
「会は…」
「そんなの二の次に決まってるじゃないの!!」
とりあえずと素朴な疑問を投げかけただけなのだが怒鳴られるとは思わずに一瞬放心してしまった。


