照れたようにはにかむ彼女が可愛らしく、こちらまで心がほぐれるようなあたたかさで満ち足りた気持ちになる。


この笑顔を向けられただけでもろもろの疲れが吹き飛ぶぐらいだ。


と、そういえば従姉妹がくれたチャンスを使わなければ。忘れていたなどと言えばそれこそまたヘタレだと言われてしまうだろう。



「ローズ、相談があるのだが」


「はい?」



キョトンと目を丸くするローズに私は従姉妹が結婚すること、それで花束を送ろうと思ったが何にすればいいかわからないということを伝えた。


ここは薔薇が有名だしそれを送ろうとは考えていたがここには様々な薔薇が咲いていて色や大きさも異なってくる。選択肢が多いから逆に難しい。


私のイメージとしては薔薇は赤の印象があるので赤く がいいだろうかとこぼすとローズはクスクスと小さな笑みをこぼした。



「もしシリル様がその方に赤い薔薇を送ったら、新郎の方に怒られてしまうかもしれませんね」


「どういうことだい?」