だって貴方はわたしが好きになった人でどこにいるかもわからないわたしを追いかけてきてくれた人なのよ?そんな人に今わたしがあげられるのは信じることと自分自身、それだけ。そこに不安なんて一欠片もなかった。



「今言うのもどうかと思うけど…わたしも、その、」



赤らむ頬を抑えられない。でも多分、わたしは変なところで意地っ張りだから言えると思ったときに言っておかないと後悔する。そう、絶対後悔するのはわかっているんだから言わないと、いけないんだけど…



「わたしも、あなたのこと…すき、だか、ら…っ、あぁっ、もうっ!!」



何よこれすっごい恥ずかしいんだけど?!なんなのっ、新手のいじめなのっ?嫌がらせなの?!誰もそんなこと言ってないとかわかってるわよ!!八つ当たりだよちくしょうっ!!


顔が熱い。火が出ているといわれても納得できるぐらい熱い。なのに逆に涼しい顔している目の前の人になんだかむかっとした。



「そうよ!好きよ!好きになっちゃったわよ!!だから貴方もわたしのこと好きだって言うんならわたしのことさらうくらいしなさいよ!!!さらって幸せにするくらいしてよ!!わたしは貴方と一緒なら勝手に幸せになるんだからっ、だからっ、あとは貴方がわたしを連れて行ってくれればっ、ひきゃああっ!??」



頭の中がぐちゃぐちゃで思考もめちゃめちゃではっきり言って数秒前のことなのに自分が何を言ったのか覚えてない。でも、



「ははっ、そっか。俺といれば君は幸せになってくれるんだ。嬉しいなぁ」



抱きあげられた腕の中から見降ろした無邪気な顔はきっと何年たっても忘れないと思った。



「いたぞ!!こっちだ!!」



あ、と冷静な思考が戻ってくる。うっ、そりゃああれだけ叫べば居場所もばれるよね…わたしってば考えなしというか、馬鹿にもほどがある。がっくりと肩を落とすわたしを慰めるのはいいけど原因はあなたにもあるんだからね?そこわかってる?


あれ、そういえば…