翌日、昼になっても今夜するという舞踏会のことについて伝わってこないので中止になったんだろうかと考えながら仕事を片付ける。


母上が何かをするときこういうことは結構あるので今更驚いたりはしないが、他の人たちにもこのことは伝わっているだろうしどうするのだろうか。


もくもくと仕事を済ませながらそんなことを考えているとルークが部屋にきた。



「夜のことですが、舞踏会はなくなりました」


「なくなったのか」


「えぇ(声が弾んでますよ主)」


「そうか(少し気が楽になった…)」



舞踏会がなくなったということはその分予定に余裕ができたと内心喜んでいると「ただし、」と言葉を続けるルーク。悪い予感しかしかしない。



「舞踏会の代わりに夜の茶会が開かれるそうです」



……それはもう舞踏会とあまり変わらないのではないだろうか。


それにしてもなぜ茶会、と考える私の心を読んだかのようにそこらへんの事情を話してくれる。聞いたところによるとこの城は薔薇で有名だからそれにちなんだことをやりたかったとか。


普通に飾るだけではつまらないから薔薇を使ったお茶やお菓子でおもてなしすることになったらしい。


誰がそんなことを言い出したのかは想像に容易いな。