エスケーピング


お兄ちゃんだってそうだ。


私とお父さんのケンカをとめたくせに、私が家を飛び出したのはとめなかった。


まぁ、とめてもとまる気はないけれど……でも……。


思い悩んでいたら、花音が心を見透かしたように言った。


「何かあったら、絶対、私に相談してね」


花音……。

「相手警察官だとしても、暴力していいんだからね!」

え、そっち……?