「痛い……。頭が」 急に私がそんなことを言ったもんだから黒澤君は驚いていた。 「え?!やっぱりここは関係あったのか。今からすぐに和恋の家に送り届けた方がいいな」 立っているのがやっとの私をおんぶした黒澤君は走る。 私のケガのせいで裏通り通るハメになるし、頭痛いと言うと家に帰らないといけないの? 嫌だ。まだ…… 「一緒にいたかったのに……」と小さい声で私は呟いた。黒澤君は走っていたからきっと聞こえてはいないと思う。