あ、れ。

今の、私、告白した?

こんなにあっさり、普通に出てくるものなの?

ぐるぐる思考が回る。羞恥で顔が熱くなって、今ならお湯を沸かせそう。



「――ルトさん」



名前を呼ばれて、彼の元に戻ったアクアマリンを見つめる。

ふわりと近づいてきた彼は、私の手をやさしく掴むと、その指先に、そっとキスを落とす。



やわらかなそれは、まぎれもなく私が望んでいた彼のくちびるで。


「ソラ、くん」


信じられなくて眼を震わせるとソラくんはいつもの——あの子犬みたいな笑顔を向ける。



「好きだよ、ルトさん」



無邪気で遠くから見ていた彼が。

恋焦がれていた彼が。


私に、噛み付くようなキスをするまで、あと3秒。






fin.