私は現在、学園の敷地外の森で、戦闘用の服を着ている。
耐魔力性のグローブ。
足を覆うタイツとブーツ。
そして魔法使いの象徴である帽子と杖。
食料の猪を狩るための準備だ。
リュックも背負って、対策万全!
「毎年、実行委員が学園近くの森で狩猟した肉や、採集した木の実をパーティーに使うのが習わしらしくてね」
誰だそんな習慣作ったやつ。
実行委員が苦労するだけじゃないか。
「二人一組で狩ってきて頂戴。――はい、貴女はソラくんとペア。月獣の担当よ」
驚きで、先生が渡してきた地図を思わず落としてしまった。
「あら、不注意ね。気をつけた方がいいわ」
「すっ、すみません! 気をつけます」
頭を下げてその場から去る。
だって、ソラくんとだよ。
私の好きなひととペアになれるんだよ。
心が浮き立って、当たり前じゃない。