総支配人の横に並んだら、きっとお似合いだろうな。
そう思ったらズキッと胸が痛み出す。
何故痛いのか分からない。
でも、こんなに綺麗な人を総支配人は、
フッたんだ?
私が好きだからと言ったが普通なら
彼女を選ぶだろう。
私のために……。
やっぱり胸がドキドキと高鳴って
うるさい。
「ねぇ、聞いてるの?」
えっ?
ハッとする。
いけない……考え込んでいた。
「申し訳ありません。もう一度
お伺いしてもよろしいでしょうか?」
謝罪をして改めて尋ねる。
「もう。だから海人さん。
総支配人に私以外に女の噂とか
ないのかと聞いてるの。
今日恋人が出来たからって断りの電話が来たのよ!
海人さんをそそのかす女が誰か知りたいの」
そ、それって……私のことだわ!?
総支配人……九条さんにそんなことを言って
断ったんだ?
でも、そんなことを言って大丈夫なのかしら。
私は、告白されただけで
付き合っている訳ではないのに……。
「さぁ……私は、存じ上げませんが……」
自分だと言えなかった。



