な、何で彼女がここに!?
私は、一瞬動揺する。
すると小山さんが丁重に伝える。
「これは、九条様。
ようこそおいで下さいました。
総支配人なら総支配人室にいらっしゃると思いますが」
「そう。じゃあ、案内して下さらない?
総支配人室に……」
九条様は、案内をしてほしいと
注文をつけてきた。
えっ……?
案内しろと言われても……。
彼女は、総支配人の……そう思うと何だか
胸が締め付けられそうになる。
「でしたら私が……」
小山さんが言おうとしたら
「いいえ。あなたにお願いするわ」
そう言い指命してきたのは、私だった。
えぇっ?私……!?
どうして私を指命してきたのだろうか?
疑問を抱く。
「あの……どうして?」
「早くしてちょうだい。私を待たせないで」
九条様に叱られてしまい、それ以上言えなかった。
渋々ながら案内することになった。
何でこんなことに……。
私は、九条様の前を歩く。
この人は、総支配人の婚約者だと言われた女性。
親が決めたとはいえ……チラッと見る。
やはり綺麗で華やかなお嬢様だ。



