クールな総支配人の迷子注意報?


周りは、離れてくれるが
改めて小山さんを見ると胸が痛みだす。

ズキッ……

「あの、助けて下さりありがとうございます」
深々と頭を下げる。

「あぁ、気にしなくていいから。
それよりも驚いたよ。高城さんが総支配人と
付き合ってるって噂が流れて。
確かに仲がいいから私も付き合ってるもんだと思っていました。
違ったら申し訳ない」

少し申し訳なさそうに謝ってきた。
小山さんまで……。
余計胸がズキズキと痛む。

でも、どんなに好きでも
小山さんには、婚約者か居る。
気持ちを伝えたいけど、迷惑はかけられない。

「じ、実は、本当なんです。
総支配人と付き合ってるの。ですが
この通りモテるので……秘密にしているんです」
私は、作り笑いをし嘘をついた。

自分の気持ちを誤魔化した。

「そうだったんですか?
なら秘密にしておかないといけないね」
フフっと笑う小山さん。

これで……いい。
私は、失恋したんだもの。

複雑な気持ちになっていると
1人の女性客が現れる。
サングラスをかけているが見たことがある女性だった。
するとその女性は、サングラスを外しながら
「総支配人は、居るかしら?」と聞いてきた。

えっ?
その女性は、総支配人の婚約者だと言われている
九条綾女さんだった。